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レコードやのアイドルな日々

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2004-06-07 [長年日記]

うーむ

あのたわけた著作権法改正案が通っちゃったせいで、アンチレコード会社な人たちが舌鋒とどまるところを知らぬって感じですが。

そりゃまあ企業努力が足りないってのは俺が見てても感じることはあるのでその通りなんでしょうけど。

音楽バブル絶頂の頃は、「日本は世界一CDが集まりやすい天国のような国だ」なんて論調も見かけましたし、当時のカタログ数(=要は、「今売っているタイトル数」ということです)は通説によるとアメリカの3倍あったと言われております。(RIAAにはカタログ数の統計資料があるらしいけど有料なので見ておりません)

RIAJの資料を見るまでもなく、新譜のタイトル数は減ってますのでその差は結構埋まってきたはずですが、それでも現状2倍は超えているでしょう。

相変わらず、日本は(諸外国と比較すると)「誰でもCD出せる天国」なのです。売れてる人の利益を食って売れないミュージシャンを養っているのです。売れる売れないで語るのは失礼だと言われようが、事実は動かしようがないのです。

日本のメジャーレコード会社は、高価格なCDを背景にこのカタログ数を維持しているのです。

となると

価格引き下げを考えた場合、まず「図体の大きくなったメジャーレコード会社を使わない」という方法は考えられます。インディーズならば膨大な宣伝費は必要ありません。

もちろん「渋谷の街が○○一色!」なんてどでかいプロモーションはなくなりますし、新聞に全面広告を出したり、あるいはFMで無駄に一日中かかりまくったり、果ては深夜にやたら流れるスポットCMもなくなるでしょう。

では、そうなった時に、いわゆる「音楽マニア」的な人以外が目的のCDを知ることができるでしょうか? そして、それらの一般というかさして音楽に思い入れがないというか…そういう人たちにそもそも知ってもらう必要があるのだろうか、ということまで含めて考えなければなりません。

結構簡単な話

価格を引き下げるのは結構簡単な話で、ここ数年続いている「売れない物は作らないし新人もデビューさせるのを控えよう」という動きをよりドラスティックにすれば、おそらく20%程度の引き下げは比較的簡単に実現できると思います。

ここ数年、これらの策は主に「音楽バブル以降の売り上げ急減を凌ぐための策」として使われてきて、むしろCD価格引き下げを叫ぶ人たちから「新人を育てもしないツケが回ってきた」と批判されている部分ですね。

そもそもレコード会社側の言い分は「金もないのに新人育成にどかんと大枚をはたくほど気前のいいレコード会社はそうそうありませんっての」っていうことなので(かなり意訳)、なんか鶏が先か卵が先かみたいな話のような気がするんですけど。

さて

「このデフレ時代にCDが値下がりしないのはおかしい」という意見は正しいのか、というのを考えてみましょうか。

私の記憶が確かなら1985年頃には、LPレコードは2800円でした。1990年頃には、3300円のCDなんてものもたくさんありました。

現在は、2800円から3100円くらいでしょうか。

間にバブル経済を挟んでいますが、CDが劇的に値上がりしたという事実はありません。20年前と値段的に変わっていないか、上がって1割だった、というのは厳然たる事実です。

20年前と消費者物価指数を比較すると、とんでもないことになるのですが…。

結論

「高い」というのは時代背景や年代的経緯から考察する場合、正しい認識ではない(過去との単純比較)。

「高い」というのは諸外国との比較では成立するが、日本のレコード会社が抱えるリスクを考慮していない。

リスクからレコード会社を開放すれば価格を下げることはおそらく可能だが、日本のメジャーレコード会社の縮退傾向は疑い得ない(私は、それに反対しているわけではありません)。

ならばインディーズという選択肢もあるが、果たしてその変化に追随できるほど日本の音楽ファンは積極的に音楽を求めているのか?

すなわち、「日本の音楽ファンは日本の音楽シーンを支えられるだけの経済的地盤があるのか?」と。

単純に値下げを叫べば解決する問題じゃないってことだと思うんですよ。

個人的には

わかりやすい形で表現するなら、「コアユーザを増やそう」という動きではなく、「ライトユーザを取り込む」動きをバブル期にやってきたツケのような気がします。そして、それらの動きはコアユーザにも比較的好意的に…というか「反対しない」程度と思いますが…受け入れられてしまった。

ライトユーザが離れてしまえば、脆いものです。

もちろんね

企業努力としての価格引き下げを否定しているわけじゃないですよ。

音楽離れを防ぐために…なんかこうなったら値下げしても無理なんじゃないかって気はしてるんですが…値下げして多少なりともユーザが増えるんなら、できることはすべてやるべきだ。

んだけど、高い高いって念仏のように唱えてれば安くなると思ってる人が多いようなので、ちょっと言ってみたくなった。

タイミングを失った

今日は平岡雅子の話をしようと思っていたのに…(笑)。

えーと

なんかですねぇ、論点の誤りや矛盾のご指摘は歓迎なのですが…俺のことをレコード会社にしっぽを振る体制側の犬だと思ってる人が相当量いるようなんですよ(笑)。

長年ここを読んでいる人はご存じの通り、某レコード会社から会社経由でクレームを入れられるくらいには反レコード会社寄りだと思ってるんですけどね、俺は。

全部いっしょくたにして語るのは非常に危険なので言及したくはないのですが、輸入権もCCCDも同意できませんし、再販制の弾力運用は全然弾力的じゃねーよ、と思っているのですがね。

そういう意味で、最近の騒動の界隈では、高橋健太郎さんのこのエントリに非常に共感を覚えました、と申し上げておきます。

本日のツッコミ(全41件) [ツッコミを入れる]
ゑろいひと (2004-06-08 19:32)

最近、「CDは食玩の価値にしかなくなったのかな」とか思ったり思わなかったりしています。

カスタモー (2004-06-08 21:01)

HMVのデゼルスキー社長によると国内盤より輸入盤のほうが粗利が大きいらしいです。<br>価格は輸入盤のほうが3割も安いのに何故なんでしょうか?

餅罠 (2004-06-08 21:35)

例えば携帯電話、例えばコンピュータゲーム。これらは、質が高くなりつつ、値段はさほど上昇していない気がします。<br>そうしたものと比較しますと、目に見える変化が無いぶん、消費者にとっての、音楽CDの相対的な価値が低下したのではないでしょうか。

raffine (2004-06-08 21:47)

具体的な価格の話は、明後日あたりに関連する話に触れると思います。<br><br>アナログレコードからCDになったときに「質と値段」のブレイクはやってしまいましたが、着メロや着うたで満足しちゃう人が山ほどいる、mp3の圧縮音源で満足しちゃう人がたくさんいるのにこれ以上の付加価値をどうやってつけるの?(高音質は無駄では?)という意見は結構ありますね。<br>どこで見たんだっけかなあ。もしかしてMOK Radioでしたっけか? 津田さんところ周辺だったという気はするのですが。

DEP (2004-06-08 22:25)

DVDなんかと比較すると明らかに割高感があるからなあ<br>マトリックスを映画館でみてとても面白かったのでサントラ買ったけど、その後に出たDVDがほとんど値段が変わらなかった。<br>市場規模とか一概に比較できないのだろうけどもCDが昔と値段が変わらないのはやはり高い印象を受けます。

i (2004-06-08 22:27)

正直、「食わしてやってる」論法には飽き飽き、ノーリスクで育てようという魂胆こそが浅ましい、誰だって安全に潤沢に運営できればそっちがいいに決まってる、定価を50000円引き上げて小売とか新人育成に40000円落ちるようにするほうがいいのか?渋谷のプロモって福岡の人は何人見てるの?音楽ってそういうふうにしか広まらないの?音楽をやる新人って商社に就職するように大手レーベルに入らないと、音楽ファン(笑)の視界にすら入らないの?

Kenny (2004-06-08 22:30)

80年代末にはソニーが邦楽新譜の定価の1〜2割引き下げを実験的にやってましたよね。ただ、効果測定をしたところ結局「安かろうが高かろうが買う人は買うし買わない人は買わない」という結論で元に戻してしまったようですが。<br>いやー、それにしてもカトゆー家さんのリンク効果ってすごいね(笑)

raffine (2004-06-08 22:57)

脊髄反射とか日本語読めないとかはともかくとしても、あたしゃ別に高いことを肯定しているわけじゃなくて、高いことにはやたらめったら要因が絡まり合っているので安易に価格引き下げを叫んで、仮にレコード会社が同調したとしても(しないと思うけど)、下手すると自分の首を絞めかねませんよ、もっと反論は慎重にね、と言いたかっただけなのですがね。<br>なんか憎さだけで周りが見えなくなってる人多いですね。

touch (2004-06-08 23:30)

市場規模の問題でもあるような・・・。<br>英語圏と日本語圏ではユーザーの数も違いますし。<br>まあ、レコード会社の不誠実な点(CCCD)に関しては、<br>物申したい気持ちもありますけど。

rung (2004-06-09 01:12)

現在アナログレコードよりCDメディアの方が製造原価は安いのではないかと思います。様々な消却、製造を移管できる海外拠点の出現などをひっくるめて考えると1枚のプレスにかかる原価は数十年前の物価指数に照らし合わせても飛躍的に安くなっていると思われます。<br>ユニクロのTシャツに版権料(ウォホールなど)が乗ってもあの値段というのと音楽メディアとは比較ができない物なのでしょうか。<br>ただ、「では安ければ売れるか」と言うところはマクドナルドの安売り戦法を想起させられる部分もあり、音楽がこのように消費される状況において戦略として100%正しいとは言いがたいと思っています。<br>しかし30-40年前のように生活物価に対し相対的な高額感を持ったところでステレオの前で正座して聴いてくれるリスナーがあまりいなくなってしまったのは業界の商売の仕方に多くの要因があるという感想が出てくるのは否めません。

みゅーと (2004-06-09 01:13)

どーでしょ。<br>音楽なんて産業になる方が「もともとおかしい」とおもうんですよね。音楽屋だの絵描きだのなんてのは、食うや食わずで死んでいくのが当たり前なんじゃないかと。本当は。<br>それを仲介するレコード屋なんてのも、商売にならない、儲からない活動であるのが本来の姿なんだと思います。<br>音楽(レコード)売って儲かってる時代が、20世紀から21世紀に掛けて一時期あったってことのが特殊な偶然なんだろうと思うんだけどね。これからは、音楽からお金をひねり出すことはとても困難になると思うし、それが音楽の自然なあり方なんでないかなぁ。そういう本来のありかたを無視してCDなりなんなりをなんとか高値で売り続けようとしても、かえって音楽産業の崩壊は早まってしまうと思うし、崩壊スピードを弱めようと思うなら、やはりCDなりなんなり、の価格を下げなければどうしようもないんじゃないかと思いますが・・・・・

Rionet (2004-06-09 01:25)

個人的にはCDという配布メディアにこだわりすぎて、思考停止になってるのでは…とも思う>企業も消費者も<br>要はいかに「廉価で曲を配信」しつつ「利益を追求」するかであるかと思うんだけど。

raffine (2004-06-09 01:36)

洋画のDVDあたりと比較するときは市場規模差は無視できませんね。ただ、それを隠れ蓑にしているのはどっちかといやレコード会社の言い分なので心情的にあまり同意はしたくありません。<br><br>製造原価自体がCDの価格に占める割合は現在10%以下と言われています。印税や原盤制作費(端的に言ってレコーディング費用)を足しても3割に満たないと言われています。<br>小売り卸売りが3割中抜きしても、じゃあ残りの4割は果たして有効に使われてるの?というのを明らかにしていく必要がありますね。もちろん、卸売り小売りも取り分を下げて生き延びられるようになりゃいいんですが、小売りの中小規模店の多さを考えるとなかなか手は出しにくいところでしょう。(徐々に手は出していて昔は30%だったのが下がって今は25%が主流だったりもするのですが…)

raffine (2004-06-09 01:44)

食うや食わずって言われちゃうと困ってしまうのですが、そういう人たちをなんとか食えるようにしてやろうってのが著作権法の精神ですから(笑)。<br>ま、大儲けを考えずつつましやかにやんなさいよ、ってな趣旨なら、そういうことを考えてみる必要はあるのかなぁという気はしますね。ちょっと価格が云々ってのとはズレますが。<br><br>配信云々は音楽配信メモさんにお任せしますが、とりあえず現状から数年は進歩しないんじゃないのかなぁ。<br>配信と店頭売りを組み合わせれば一気にカタログが増えてお互いが幸せになれると思うんだけど、実現はいろいろあって現段階では難しいですね。「いろいろ」は本当にいろいろなので機会を改めて。でも立場上非常に書きにくい話なので書けないかもしれません。

gonewiththewind (2004-06-09 01:45)

>>音楽なんて産業になる方が「もともとおかしい」とおもうんですよね。音楽屋だの絵描きだのなんてのは、食うや食わずで死んでいくのが当たり前なんじゃないかと。<br><br>こういうことを平気で言う輩がやたらにいるけど、どんな面の皮で言ってるのかと思うね。<br>たとえばあなたが小売業に関わってて、(事実関係は別として)江戸時代には士農工商の最下層に位置した商売やってるようなやつらは、蔑まれて当然の生業で、食うや食わずで上の階級の搾取や横暴に震えながら暮らすべきなんだよって言われて平気なのかね?<br>過去十年ほどの音楽業界の状況が異常だったかどうか知らんけど、IT産業なんてそれ以前は存在すらしなかったんだぜ。

zelkova (2004-06-09 02:40)

音楽業界が規制というよりも著作権という国民の了解の下に<br>特権が認められていたのに、金が動き出し始めると、特権を認めることによって還元される「公共の福祉」が疎かにされてきている。まして、今のレコード業界は音楽家のみが持つはずだった特権を流通サイドの力で自分たちの特権としてしまっているように思える。なんかこのごろの知的財産戦略って、独占すればそれで良いみたいな感じがしてならないんだが・・。

rung (2004-06-09 05:56)

子供の頃から「アリとキリギリス」の話が大嫌いな私は「芸術家は食うや食わずでオッケー論」には賛同いたしかねます。昨今の著作権の問題は芸術家自身がウハウハ儲かる仕組みではなく、その周囲に群がる商売人などにあるということは忘れてはならないでしょう。<br><br>音楽メディアの原価の「残り4割」は業界自体がすでに了解している「構造不況」の元凶のひとつでありながらなにも対策がとられていない要素ですね。同様の問題が書店と出版社にもあると認識しています。

fkz (2004-06-09 09:39)

昔の価格の話をするならば物品税が消費税に変わった話も<br>する必要がありますよ。出始めの頃はまだ物品税で、<br>消費税よりも税率が高かったはずです。具体的に幾らかは<br>覚えていませんが。<br><br>あと、あんなにCM流したり大量にポスター貼ったりなんて<br>しなくていいですし、CCCD(CDじゃないんだからこの表記<br>どうにかして欲しいですよね)とかはプロテクト技術の<br>ライセンス料はらってるせいで本来なら不要なコストが<br>発生してますよね。無駄なコスト減らせば数百円程度の<br>値下げは可能だと思うな〜。

sasaki (2004-06-09 10:41)

値段を下げるのが正しいこととして、企業努力などによって値段が下がるものとして(この時点で100歩どころか500歩くらい譲ってますがw)、それで一体幾らくらいまで値段が下がるもんなんでしょうね?<br>3000円でリリースされてるアルバムなんて、現状できうる限りの企業努力を施したところで、下がって500円の世界じゃないでしょうか?<br>CDの値段が劇的に下がりました! なんてアナウンスされていざ買おうと思ったら2500円では、かえって購買意欲が失せるんですが。<br>標準的に1980円程度を実現するか、1200〜1500円程度にまで下がらないと、ライトユーザーとしては購買価値を感じないと思いますよ?<br><br>現状では、アルバムなど従来より一定の市場が確保されている商材については現状維持で、低価格帯の商材供給については(音質劣化や過剰頒布による市場価値低減化も含めて)着メロ配信やmp3配信で賄おうとしているでしょう。<br>それ以外の解決法は、商業的に不可だってことでしょ。<br>低価格を実現することによるメリットは「多量販売多量消費」じゃないと享受できないと思うのですが、そもそも最近の風潮としてやみくもな大量消費は慎みましょうという流れになってきているのですから・・・CD(とくにアルバム)の価格を下げるのはある意味時代の流れに逆行しているのかもしれませんね。

raffine (2004-06-09 10:53)

すいません、難しいハンドルの方が多いので順番にお名前略で…。<br><br>とりあえず落ち着いてください。話はそれからです。<br><br>「公共の福祉」となっちゃうとちょっと話が大きすぎる気がしますが、最後の一文には非常に共感します。<br><br>「構造不況」ってこういうところで使えばいいのか!(笑) 結局、著作権者ではなく著作隣接権者の権力が大きくなりすぎたことへの危機感、というのが一連の動きに不快感を表明している人の共通する意志なのかな、とは思っております。<br><br>レコードの物品税は10%です。出始めのころは3200円、3300円だったCDの主要価格帯は現在3059円になっていますが(消費税が3%の頃はちょうど3000円だった)、「現状維持または10%程度の値上げ」と評したのは実は物品税を考慮した上でのことです。宣伝費はある程度は仕方ないと思うんですけど、現状「効果を挙げている」とはあんまり思えないケースが増えてきた気がするんですよね。どっちかといや俺はその分新人への資本投下に回してくれれば無理に値下げしてもらわなくてもいいとすら思ってますが…。

sasaki (2004-06-09 10:53)

洋楽のCDが安いのは、大量販売方式が全世界にまで拡大してるからというのもあるでしょう。<br>邦楽が国内のみ10000枚販売、洋楽が全世界で3〜50000枚販売・・・みたいに、そもそもの事業規模が違うのかもしれません。<br>そのへんについては、公的機関の発表にて実態確認するしかないんでしょうけど。<br>邦楽も、全世界で売りに出すことを前提にするならば多少は値段が下がるかもしれませんね。<br>現状あるような、国内のみ、しかもオタクのみを対象にしたようなタイトルは、事業規模の小ささから言っても値段を下げるなんて夢のまた夢のような気もしますが。<br><br>つまり、値段が下がるとしても世界戦略が可能な超ビッグタイトル先行で、おそらくこのエントリで問題提起している方が好むであろうマイナータイトルについて言えば、何十年経ってもなんら変わることはないと思います。

raffine (2004-06-09 11:04)

うお、書いてる間に増えてる(笑)。<br><br>8日のエントリやツッコミで書いてますが、200円やそこら下がったことで「値下げされた」とか思う人はたぶんほとんどいないとは思ってます。大量販売の薄利多売を真に実現するのは日本市場だけではおそらく難しく、やってやれないことはないが相当の覚悟をしなければなりません。<br>タワーとHMVと新星堂以外の小売店に全店潰れていただくとか、いっそのこと店頭小売りなくしてamazonの独占にするとか、それくらい小売りが体力持たないと薄利多売は実現できないです。つまり、現実解として「値下げされた〜」と値下げ厨な人が喜ぶくらいの値下げは事実上できないのではないか、と。<br>本気で大量消費社会にするならば、相当の痛みを伴いますし、メーカー側もそうなったら甘いことは言っていられないでしょう。著作者側も音楽は芸術であるなんてお題目は捨てていただくしかない(笑)。<br>マイナージャンルの価格は現状維持くらいでいってくれれば個人的にはいっこうにかまわないのですが、大量消費社会になってしまうと「マイナーなものは流通すらしない、発売すらしない」という世界が待っている予感がして、そうなってしまうと非常に困るのですね…。

raffine (2004-06-09 11:16)

「じゃあ大量消費をメジャーにやらせてマイナーアイテムはインディーズでいいじゃないか」ってのもアリだとは思うんですけど、そうなってしまうとメディアに乗る音楽はどうなるんだろうかと。インディーズは「話がつけば権利処理はとっても簡単だが、まず最初に連絡をするのが大変」と。<br>放送とかはJASRAC一括なのでがんがんかけて後から包括精算すりゃ終わりですし、JASRACシールの貼ってあるインディーズも同じなのですが、Jasracが絡んでないインディーズは一件一件電話しなきゃいかん(笑)。そこまで今のめんどくさがりなマスメディアはやらないでしょう。<br>そして、メディアに乗らない音楽をライブハウスにふらっと飛び込んで探しに行くような音楽マニアはそうそう多くない。ただでさえ少ない需要の裾野がどんどん狭くなるんじゃないのか?って気がします。<br>メジャーレコード会社は糞だからインディーズでいいよ、とは割と言われる意見ではありますし、同意もできる意見なのですが、じゃあそういうインディーズのマイナーレーベルから出ている作品を知る機会はどうやって作ればいいんだろう?(わざわざ作ってあげないと能動的にマイナー音楽に首を突っ込みに来る人は多くない!)ってことを併せて考えないと、音楽人口はどんどん減少の一途をたどるんじゃないかと思います。

gonewiththewind (2004-06-09 11:40)

勘違いがあるようですが、放送局はJASRAC扱いがあろうとなかろうと、包括使用料をJASRACに払っていることで免罪符と考えているので、JASRAC登録がないインディーの楽曲を使ったとしてもそれはうやむやになってるだけですよ。実際にTVのBGM使用やラジオのジングルなどでは、そんな事例が山ほどあります。そういう曲が全体の数割を締めるというような状況になったらわかりませんけども、少なくとも自分たちで変えるようなことは現況ではないでしょう。そういうめんどくささから逃れて、丼勘定でよしとしているのがブランケット方式ですからね。<br>もちろん著作権者はいちいち「何時何分から自分の曲が使用されたからその分の使用料を支払え」と請求することは可能なわけですが、たぶん電話代の方が高いでしょう。それにそんな調査をいちいちしていたら、音楽制作に時間が割けるわけはありません。<br>変わるかどうかわかりませんけども、放送局においてすべての使用楽曲をDB化して管理なんて簡単にできることだし、そうやってきちんと分配がなされるようにならない限り何も変わりませんね。<br>技術的には着メロや着うたはちゃんとそういう管理をしているわけで可能なのにやらないというのは、ひどい話です。

sasaki (2004-06-09 11:42)

値下げ厨さんの多くは、<br>>raffine (2004-06-09 11:04)<br>>raffine (2004-06-09 11:16)<br>のコメントを理解できていないか意図的に無視しているかのどちらかでしょうね。<br><br>とくに、大量販売方式を加速させる(低価格化を実現する)ことが、確実に<br>>「マイナーなものは流通すらしない、発売すらしない」という世界<br>に繋がるという認識が、ない。これはけっこう致命傷だと思いますが。<br>自分たちの好むものは絶対的に大丈夫って思い込みが、どこかしらあるんでしょうかね? そんなわきゃないのにw<br><br>>そこまで今のめんどくさがりなマスメディアはやらないでしょう。<br><br>これは、マスメディア側が「めんどうくさがるか否か」のような俗な対応でそうなるのではなく、<br>仮に「面倒くさがらず」「ユーザー視点で面白いと思ったものを追求する」スタイルで商売した場合、マスメディアとして発信する情報があまりに先鋭的になりすぎてごく一部の共感しか得られないリスクのほうが大きくなるから、「あえて」面倒くさがりに徹して情報の取捨選別を避けている、といったほうが適切でしょう。カタログ商売に徹して良し悪しの判断はユーザー自身に委ねているということです。<br><br>ちなみに、そういう商法にせざるを得ない現実的な理由としては、<br>※音楽情報の利用者が少ない(マスメディア、雑誌問わず)<br>※少ない利用者の中で、さらに趣味趣向が細分化しているため特定支持層のヨイショがしづらい<br>が、あります。<br>どマイナーゆえの弊害といってもいいでしょうね。<br><br><br>>インディーズのマイナーレーベルから出ている作品を知る機会はどうやって作ればいいんだろう?<br><br>この部分を追求しているのが大手レーベルですね。<br>「商材が粗悪でも認知機会を増やして絶えず人目に触れる状態にしておけば売れる確率が飛躍的に高まる」という論理を実践しているわけで。<br>インディーズは殻を破らない限り永遠にインディーズのまま、とはよく言われることですが、その「殻」にあたる部分が「認知機会」なのです。<br>いいものを作れば見る人は見てくれる式では、ダメ。<br>積極的にアピールしないと、ハッキリ言って誰も見てくれません。<br>それを実践するために大手レーベルはわざわざ営業用の人材を雇って高額の報酬を払い、尚且つ配信元へ日参させたり必要とあらば賄賂を支払うなどして「認知機会」獲得に血道を上げているわけですが。<br>その部分を理解しない、もしくは否定するというのであれば、ご当人の意思や希望とは無関係に<br>「マイナーなものは流通すらしない、発売すらしない」という世界<br>へ向けて一直線でしょうね。<br>そのへんの流れが分からず値段を下げれば万事丸く収まると思っているあたりが、厨の厨たるゆえんなんでしょうけど。<br>ぶっちゃけ、自分が買おうと思っているもの「だけ」が安くなればそれでいい、と思っている人の発想ですよ。

gonewiththewind (2004-06-09 11:48)

想像するに、JASRAC扱いのない楽曲がすごく増えて、厳格にそれぞれの曲の著作権者に放送局なりが許可を得なければならない(Livedoorの手持ちのCDのリップ代行サービスみたいなイメージ)となった場合、放送局はトップ判断でJASRAC扱いのないような曲は一切使用禁止という方針になり、今以上に放送が一元的でつまらない音楽しかかからないようになるでしょう。<br>インディーなら話がつけば簡単というraffineさんの指摘は間違ってますよ。JASRAC扱いがないということは出版社に権利を預けていないということですから、著作権者は作曲者になって、レーベルに話したところで彼らはなんの許可も出せません。つまり、バンドのアルバムで5人メンバーがいて全員の作曲クレジットになっていて、そういうバンドが10組いるインディーを想定して、そのレーベルの特集番組を作ろうとしたとき、放送局側は50人全員に許可をとる必要があります。

sasaki (2004-06-09 12:44)

↑実際にはそこまでする必要ないですけどね。<br>なんのためにリーダーが居るのか、なんのためにマネージャーが居るのか考えてみましょう。<br><br>お互い極論なのでどっちもどっちと言えばそれまでですが、対応としてはgonewiththewindさんの言い分よりも「インディーなら話がつけば簡単というraffineさんの指摘」のほうが現実的ですよ。殊にメジャーデビューを目論む場合、声が掛かるだけでも嬉しいのはインディーズ側ですから、安売りしないよう駆け引き的にゴネる可能性はあるにしろ大筋として「話がつけば簡単」と思っているのはお互い様。

funahashi (2004-06-09 14:19)

いろいろ巡っていてここに来ました。5メジャーの社員です。<br><br>・宣伝費について<br>ものすごく削れています。いわゆる音楽バブルだった94年当時と比べると規模は20%くらいです。<br>・リストラについて<br>あまり進めていないと津田氏などはおっしゃっていたりしますが、かなりドラスティックに進んでいます。50代の社員は営業系以外はほとんど壊滅状態。宣伝と製作、経営幹部程度にしかいません。また雇用体系も変わっており、社員の半分は「契約社員」です。<br>・CDのコスト<br>CDが出たばかりのころに比べるとコストは下がっています。ですが、技術革新でコストを下げるのはもう無理です。<br>こちらに書かれているとおり、相対的に下がっていると思うのが正しいかと。<br>・市場規模について<br>ライトユーザー層が音楽をたくさん買ってくれた時代が音楽バブルだったことはレコード会社勤務の人間なら誰でも認識しており、現在の音楽不況が「以前に戻った」状態であることも認識されています。ですのでバブル時代に肥大した人員と組織を元に戻していこうとしているのは前述したとおりです。<br>・CCCDについて<br>全部のオーディオ機器で再生できないというのは問題があると私も思います。個人的にはDVD-Audioへ移行すべきかと。ですが……。<br>「過渡期なんて言葉つかうんじゃねえ」とおっしゃる方もいますが、その過渡期に私は飯を食ってるわけで、自分の生存と天秤にかければ現在のCCCDを認めざるを得ません。<br>・洋楽輸入規制について<br>もしもそんなことになればそれは日本の音楽シーンが半死状態になると思っています。とりあえず私がいる会社でそんなことは考えていないと思います。1か月ほど前にかなり上のクラスの方にこの件を聞いたところ「輸入規制なんてありえないね」と言ってました。しかし、そのあとどうなったのかはわかりません。<br><br>とりとめもなく書いてみましたが、一応ナマの声を。

gonewiththewind (2004-06-09 15:22)

sasakiさん<br>極論として、メジャー:JASRAC:レコ協:放送局 みたいな既存の宣伝/メディア/流通がダメだという論調が根底にあるわけです。その代替案のひとつとしてP2Pだとか、ここで触れられたインディーにもっと移行するということがあります。そういう代案の基調にあるのは、中間に余計なモノがある、そういう部分に儲けさせる必要はないと思うから、直接アーティストなりに金が入る仕組みがあればいいという考えです。<br><br>柔軟に対応できるインディーに比較的マイナーなものが移っていって、さらにJASRACのような一極集中の集金システムに依存しないようなひとたちが増えた場合、というのを先の文でraffineさんは考えていたと思います。仮説上の危惧として、そうなった場合は連絡するのが面倒だから、メディアはインディーを無視するだろうということで、僕もそれは同感です。実際の手順として、例えばバンドリーダーやマネージャーみたいな存在が、著作権のクリアランスを行うということは当然想定されるのですが、「メジャーデビューを目論む」とか、「めんどうなので(本来個々人が権利を持ち管理するべき)著作権を誰かに預ける」という発想では、結局今のシステムと何も変わらないですよ。<br>一回BGMの使用で、何銭みたいなもののためにいちいち連絡するか、そして事務所なりマネージャーなりリーダーなりもそんな連絡が毎日何十件も来るようだったら対応するでしょうか。<br><br>そのように考えたら、JASRACがこのままの形で未来永劫存続していくかは別として、結局はどこかが一括して管理や徴収・分配をするというやり方が必要になってきます。極論は「アーティストに直接…」とかって言ってる方で、それは物々交換の時代に戻るのと大差ないよということが言いたいわけです。<br>組織やシステムをなくすのではなく、変えていくしかないのだろうし、そのためには受益者であるアーティストなりが「めんどくさい」っていう発想や態度から脱していかないとどうしょうもないんじゃないでしょうか。

sasaki (2004-06-09 18:35)

「めんどくさい」っていう発想は、ある意味窮まったからそうならざるを得ないってことでもあるんですが。べつに、はじめっからめんどくさがってるわけではないでしょう。<br><br>めんどくさがらず個々の権利を各々が守るやり方になると、手間が煩雑すぎて肝心の活動が出来なくなってしまう。<br>結局はマネージャーなり代理人なり弁護士なりがある程度まとまった形での権利行使をしていくことになるのでしょうが、その場合、アメリカ型のように代理人が権利主張や報酬面(楽曲制作による収益で、代理人個人の報酬とは別です)に関してとことん値を吊り上げるようになりますよ。<br><br>むしろ、そうしないと零細事業者は自己の権利を守れない。そして、自己の権利を守ろうとすればするほど結果的に単体での活動がハイコストになるので、結局メジャー傘下に入りたがる、という図式になりますが。<br><br>一般消費者に見えづらいメジャーのメリットに、活動費の個人負担が異常に少なくなる、というのがあります。<br>会社勤めをしていると、自分の給料とはべつに活動経費を支給してもらったりしますよね? そんな感じです。<br>そのへんの足回りが断然有利という現実もあるので、<br>べつに俗な意味で「「めんどくさい」っていう発想」をしているわけじゃないでしょう。<br>実際に個人レベル零細レベルで動いたときの活動環境の厳しさを考えると、メジャーデビューを目論むのは、ごく自然な成り行きだと思われます。<br><br>まぁ日本の場合、むしろ問題なのはメジャー団体がひとつしかないってことかもしれませんね。

sasaki (2004-06-09 19:09)

営利目的の大手企業が数社割拠するのはともかく、<br>それらの諸権利を束ねる団体がひとつしかないのは<br>結果的に「どこの誰が最善を尽くしても結論はひとつ」<br>と言ってるのと同じになるわけで、<br>それがいろんな意味での発展性を阻害しているのかも。<br>僕自身はいちユーザーなのでraffineさんの言い分にも<br>gonewiththewindさんの言い分にも一理あるな・・・と無責任に賛同したり反論しているわけですが、<br>行動を伴った上での現実論ということで考えると、<br>やはり先に述べたような「どうしょうもねぇや」的現状維持論に落ち着くわけで、<br>そのへんは、たしかに歯がゆいところですね。<br><br>ただまぁ、単純に値段を下げればうまくいく式のご意見は、やはり現実を知らなすぎるというか都合よすぎという気がしなくもありません。自分らで一からやることを考えると、多少(どころじゃない)の搾取があっても、メジャーのほうが楽です。ハッキリ言えば。<br>音楽業界とは違った業界で生産その他の作業に従事していた身としては「むしろ値段を上げて欲しい」が本音なんですけどねw

(´A`)ノ (2004-06-09 21:14)

いっそのことCDは完全受注生産にして後はネットからのダウンロード販売にしちゃえばいいんじゃない?<br>高くてもCD欲しい人は買う、多少音質が悪くても聴ければいい人はダウンロードする。<br>現状の小売店とかはPC持ってない人とか向けにダウンロードしたファイルを携帯電話とか小型の音楽プレイヤーにコピーするのを商売にすれば生き残れると思うよ

津田 (2004-06-09 23:11)

> funahashiさん<br><br>俺の名前も出ていたのでお返事を……。<br><br>> ・リストラについて <br>> あまり進めていないと津田氏などはおっしゃっていたりしますが、<br>> かなりドラスティックに進んでいます。<br><br>いや、これは当然僕も把握してたり、いろいろな人から聞いたりしていますよ。<br>一昨年あたりから凄いことになってきているみたいですね。<br><br>ただ、それでももっとリストラに関して厳しい業界を見ている者から言わせて<br>もらえば音楽業界のリストラは甘いとは思いますし、着手するのが遅かったなとは<br>思います。「進めていない」とは書かず、遅かったみたいに書いたと思うのですが。<br>まぁ受け取る側のニュアンスの問題でしょうね。<br><br><br>> ・市場規模について <br>> ライトユーザー層が音楽をたくさん買ってくれた時代が音楽バブルだったことは<br>> レコード会社勤務の人間なら誰でも認識しており、現在の音楽不況が<br>> 「以前に戻った」状態であることも認識されています。ですのでバブル時代に<br>> 肥大した人員と組織を元に戻していこうとしているのは前述したとおりです。 <br><br>これはその通りでしょうね。<br><br>ただ、そうした「元に戻そう」とする動きの「あおり」が、レコード会社<br>内部だけの話で済まず、リスナーやアーティストにも被害がいってますよね。<br>CCCDとかはその典型でしょう。<br><br>「自分達の経営判断ミスで台所事情が苦しいんです。そのために仕方なく<br>こういう手段を取らざるを得ません。あなたがたにはできるだけ迷惑が<br>いかないようにしますが、多少は被害が及ぶかもしれません。でも、<br>音楽産業そのものを守るために我慢してください」みたいに説明すれば、<br>多少は状況が違うと思うのですが。<br><br><br>> ・CCCDについて <br>> 全部のオーディオ機器で再生できないというのは問題があると私も思います。<br>> 個人的にはDVD-Audioへ移行すべきかと。ですが……。 <br><br>DVD-Audio併売、もしくは新譜の専売ができないのは単純に売り上げの見込みが<br>たたなかったり、コスト面の問題だったりするのでしょうね。でも、どうせ<br>どこかで(しかも割と早いタイミングで)CD捨てなきゃいけないんですから、<br>そのときは身銭を切ってでもやる必要が出てくるわけです。そういうリスク込みの<br>経営判断って、一般の製造業なら当たり前のようにやっているのですが……。<br><br><br>> 「過渡期なんて言葉つかうんじゃねえ」とおっしゃる方もいますが、<br>> その過渡期に私は飯を食ってるわけで、自分の生存と天秤にかければ<br>> 現在のCCCDを認めざるを得ません。 <br><br>これも僕に対してのコメントでしょう。ここの部分は一音楽ファン(音楽業界に<br>少なからぬ金を落としてきた者)としての本音ですが、実はこれ、funahashiさん<br>のような一般の社員に向けているセリフでもなかったりします。社員に文句言っても<br>上意下達のシステムが変わるとも思えませんし(本音を言えば、きちんと上と闘って<br>ほしいですけど、クビをかけてまで闘えなんていうのは無責任な外野だから言えるの<br>かなという部分もあります)。<br><br>でも、やっぱり寂しいですけどね。嘘でもいいからレコード会社の社員の人には<br>「自分の生存と天秤にかければ現在のCCCDを認めざるを得ません」なんて言って<br>ほしくないです。<br><br>レコード業界って、ほかのクリエイティブ系職種と比べて決して社員の給料って<br>高くないですし、いろいろ大変だということはいろいろな方からお話を伺うと<br>理解できます。それでも、過渡期を何とかやり過ごすことではなく、その過渡期を<br>どうすれば短くできるのかということに全力をあげてほしいなと思います。<br>このままいくと今後だらだら過渡期が続くだけですよ。<br><br><br>> ・洋楽輸入規制について <br>> もしもそんなことになればそれは日本の音楽シーンが半死状態になると<br>> 思っています。<br><br>そりゃそうでしょう。輸入盤が売れている理由を普通に考えれば誰でも<br>そういう結論に達すると思います。<br><br><br>> とりあえず私がいる会社でそんなことは考えていないと思います。<br>> 1か月ほど前にかなり上のクラスの方にこの件を聞いたところ「輸入規制なんて<br>> ありえないね」と言ってました。しかし、そのあとどうなったのかはわかりません。 <br><br>僕もいろいろ内部の話は聞いていますが、この件に関してレコード会社の社員レベルの<br>人は高橋さんの活動に対して「まったく火のないところに煙を立てようとしている」<br>みたいな感じで白眼視してるようですね。でも、これってレコード会社の思惑とか<br>そういうのを超えた政治的な話で、一部のレコード会社主導で始まったことですから、<br>レコード会社内部の人もほとんどの人が事態を正確に把握していないというのが<br>実情だと思います。ある外資系レコード会社のトップも秋頃までこの問題まったく<br>知らなかったという話ですし。みんながよくわからないから文化庁に問い合わせると<br>文化庁の役人は「洋楽輸入規制はありえません」という説明をする。そこで納得して<br>帰ってくる音楽業界人が多いという話もちらほら聞こえてきます。<br><br>本質的な問題は、日本のレコード会社がどうなのか、ということではなく、<br>欧米メジャーに権利付与するということです。それを行使するかどうかは<br>まだ不透明ですが、彼らは考えてると思いますよ。どうこの法律を運用すれば<br>自分達に最大限の利益が確保されるのかということを。<br><br>最初は実験的に国内盤である程度の数が見込めるアーティストの輸入盤を少なくする<br>くらいのことから始めるのではないかと個人的には思っています。

gonewiththewind (2004-06-10 00:33)

「めんどくさい」という発想は大半のミュージシャンが持っていると思いますよ。たとえば出版社から送付されてくる支払い明細をきちんと検証して内容を理解している人はほとんどいないのではないでしょうか。以前坂本龍一が、内容に疑問を持って権利に従って調査を依頼したら間違っていたという事件があったと思いますが、そういう権利を行使したという話はあまり耳にしません(知らないだけであるのかもしれないですが、そんなことをマメにやれるようなひとがミュージシャンになるとは思えないし、事務所の人間ですら「数字に弱い」とか、それこそ大卒の経済通ばかりと聞くヤクザの世界よりダメそうな人が多いように感じます。

gonewiththewind (2004-06-10 00:43)

>>いっそのことCDは完全受注生産にして後はネットからのダウンロード販売にしちゃえばいいんじゃない? <br><br>iTunes Music Storeの収益で、1曲分約1ドルの売り上げのうち、7割近くがクレジット決済のための経費という記事が以前出ていたと思うのですが、そういう現状をご存じでしょうか。<br>また、ジャケットつきの、すでに商品として一定の評価を得たものしか棚に並んでないことや、それ以外の売り方でも「セリブリティーの選曲」であるとか「あのアーティストの未発表曲」とか、既存のシステムの流れの中で成功した人たちの知名度に乗っかった販売方法しか今のところ成功していないと思われます。<br><br>既に廃盤になっているアルバムをオンデマンドでCD-Rに焼いてくれるという画期的なサービスが国内でもあるんですが、爆発的に売れているというような話を聞いたことはありません。サービスの値段が高すぎたように思いますけど、手に入らないものなので高くて当然という考え方もできますしね。

sublime (2004-06-10 07:26)

本文中の宣伝費の項目にあったスポットCMの話でふと思い出したんですが、レコード会社が今みたいにCM打つようになったのってここ10年くらいのことじゃないですかね。(違ってたらごめんなさい、なんとなくそんなイメージがあるもんで。)<br><br>レコード会社が歌を商品と割り切って売り出したことが、長い目で見ればこの国の音楽文化を衰退させて、歌を単なる消費財として使い捨てられるような存在にしてしまったんじゃないでしょうか。<br><br>素人考えで失礼しました。

sasaki (2004-06-10 10:58)

>たとえば出版社から送付されてくる支払い明細をきちんと検証して内容を理解している人はほとんどいないのではないでしょうか。<br><br>いないでしょうね。権利意識を持って僕の取り分はもう少し多くないか? と思う人は多いでしょうが、それがあまり前面に出すぎるような人はそもそもアーティストとして大成できなかったり。皮肉ですね。<br><br>>事務所の人間ですら「数字に弱い」とか、それこそ大卒の経済通ばかりと聞くヤクザの世界よりダメそうな人が多いように感じます。<br><br>現状から言えば、じつはこのへんが問題点なんでしょうね。<br>肝心要のアーティストが金銭感覚に疎い以上、それをサポートする側が細かくないとまずいとは思うのですが。<br><br><br>ここからはレスと無関係ですが、日本人一般(とくに都市部住民)の購買動機から言うと、ダウンロード販売や通販のような購入手続きが鬱陶しいシステムを導入すると、かえって離れていくんですよね。<br>欲しいと思ったその場で即買えなきゃダメ、みたいな志向が強い(それがもっとも極端に現れたのが、万引き。欲しけりゃいい、という直線思考)です。<br>ここに書き込んでいらっしゃる人やそれこそ大多数の人たちは万引きといっしょにするな、と思われるかもしれませんが、実際のところ傾向的に近い人は多い。<br>安易な廉価販売大量販売に踏み切れない背景には企業努力の脆弱さもあるかもしれませんが、根本的には、万引き系ユーザー(ユーザーと言っていいのか疑問ですがw)に食い荒らされてしまう可能性が高く躊躇っている、といったところでしょうか。<br><br>現状万引きしない人の精神的な歯止めが脆弱で(万引きかっこ悪いとか、そのくらいの動機)、そのへんの良心にすがったような購買システムで動いている以上、収益的に不測の事態を許さない商業動機とはかなりかけ離れていると言わざるを得ません。<br><br>法に則った商行為をする以上、建前としては「すべてのユーザーは商材の品質が良く廉価を実現すれば素直に購入してくれる」という前提で動かなければならないのですが、反面心理として「すべてのユーザーは商材の品質や価格の高下に関係なく、ただでふんだくっていく」連中だとも思わなければやっていけないわけで、まぁ実際のところ各小売店などの万引き被害の実態も鑑みると、残念ながら前者相手の利益を追求するよりは後者相手の被害を食い止めるほうが、配信側の体質改善や健全化にはより効果的といったところでしょう。<br><br>CDの頒布価格を下げユーザーにとっての安心価格を実現する、アーティストに資金が行き渡るようなシステムを構築する、といった企業努力を着実に行ったとして、業界の体質が健全化(?)したとして、それがユーザーも含めた上での業界全体の健全化に繋がるかと言えば、それは疑問です。<br><br>まぁ平たく言えば、業界や一部の優良ユーザーが健全化すればするほど、犯罪被害が増大して「健全であるがゆえに」体質が弱まってしまう・・・という構造上のデフレスパイラルに嵌まってしまう。<br>一企業の自衛策がそれらを解決できるとは思えないわけです。<br><br>実際のところ万引きは超微罪ですから、つかまっても叱られる程度のことでしかないでしょ? 親からして「万引きくらいで」みたいな認識でしかない。<br>これって、商行為側からすれば大穴の開いたバケツに水を汲むようなものなんですよね。<br>そういう相手に商売をしている、という実態も加味して考えると、安易な廉価戦略や普及優先の経営手法はとっくに限界にきているとも言え、今現在活発に活動していらっしゃる健全ユーザーさんには非常に不愉快かもしれないけれど、値段が高くできるなら高くしたほうがいい、万引きや違法コピー等はとことん取り締まって商行為側が「自分たちのパイを確実に認識できる」状況に持っていったほうがいい、という流れになるのはやむを得ないんじゃないかと。<br><br>万引きその他窃盗行為には年齢問わず断固とした厳罰で臨む、という現実が伴わない限り、業界側の自助努力は「衰退を前提とした規模縮小化」と同義だと思います。

sasaki (2004-06-10 11:07)

>>万引きその他窃盗行為には年齢問わず断固とした厳罰で臨む、という現実が伴わない限り、業界側の自助努力は「衰退を前提とした規模縮小化」と同義だと思います。<br><br>・・・という考えなので、今現在企業の自助努力を求める論調が活発になりすぎるのは<br>「マイナーなものは流通すらしない、発売すらしない」という世界へ一直線だな、と思う次第。<br><br>マイナーな商材は万引き被害に遭わない、というなら話は別ですが、そんなことはない。被害に遭うときは程度の差こそあれマイナーメジャー問わず同等に遭います。そうなったとき、ただでさえ利幅の少ない商材がさらに利幅を削られるというのでは、そもそも小売店が仕入れを拒否するでしょう。<br>そして「小売店の拒否」が、マイナーレーベルにとってはいちばんの泣き所だとも思います。

sidon (2004-06-10 12:06)

はじめてで失礼します。<br>いままで、音楽ファンは優遇されすぎていたのかもしれません。<br>来る少品種・低価格時代に向けて、<br>好きな音楽をサポートする、棚からCDを選んで買う以外の<br>方法を考える時期に来てしまったような気がします。<br>たいへんですが。

JF (2004-06-11 16:29)

初投稿のくせに横道に逸れますがsasakiさんのコメントについて。<br><br>>権利意識を持って僕の取り分はもう少し多くないか? と思う人は多いでしょうが、それがあまり前面に出すぎるような人はそもそもアーティストとして大成できなかったり。皮肉ですね。<br><br>その理由は何ですかね。どこの業界でも、ある種専門能力、技術を持った人間がそれを主軸に大成したいなら、マネジメントには首を突っ込むな、的な話しをよく聞きますが。がむしゃらに本分果たしてれば金のことは周りがサポートしてくれるということなんでしょうけど、これだけサポート側、現場に金を払ってくれる雇う側のイマイチな姿勢が情報として出てくると、現場、アーチスト側も不安感を覚えたり自衛を試みたりし始めないんですかね。そのせいでアーチストが余計な心配や自衛行動のために作品の質が下がり大成できないとしたら、周りの責任ではないかと。アーチストは金に鈍感であるべきというのは周りの都合でしかない気がするのですが。むしろ鈍感でいい状況にアーチストを置いてあげる役割が重要なはず。<br><br>あと、万引き傾向な購買に関してですが、そもそも店で即買うのだって財布から緻密な絵の描かれた紙なりプラスチックの板なり取り出して商品と交換するという、太古に人類が作り出した貨幣社会システムに則ってるわけです。買うという行為と万引きには社会システムに則るか否かのボーダーが明確にあるわけで、購買の手間云々とは少々ベクトルが異なると思います。

bluetone (2004-06-11 17:59)

 今の争点は「自助努力をしないと急速に沈むよ」なのに「万引きを何とかしないで自助努力をしても緩やかに沈むだけだから自助努力はしない」というのは、前提としての「急速な沈下」を無視しているだけじゃないかと思います。<br><br> だったら「自助努力をしないまま急速に沈んで行ってください」という冷たい回答しか用意されないんじゃないかな。

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